あらすじ


当公演は「センチメンタル・ジャーニーズ」という同一タイトルの「二本立て公演」です。
Aチーム(オリジン版)は初演「センチメンタル・ジャーニー」の改良作。
Bチーム(アドバンス版)は「センチメンタル・ジャーニー」のテーマを引き継いだ新作。
となっております。ぜひ両方ご覧ください。



◯Aチーム(オリジン版)

オカマ(注1)たちが偶然出会った少年は、幼い妹を抱えていました。
「母親から逃げてきた」という彼らをオカマたちは手厚く保護します。
子どもを産めないオカマたちは、子どもをもつ夢が叶い浮かれていましたが、
特殊執行部隊巡回査察員と名乗る物騒な連中に子どもたちを奪われてしまいます。
母親の元に連れ去られていく子どもたちを、自分たちの手に取り返す。
オカマに生まれた誇りをかけて。

◯Bチーム(アドバンス版)

オカマたちが偶然出会った女子高生は、お腹に子どもを宿していました。
「母親から逃げてきた」という彼女をオカマたちはしぶしぶ保護します。
母親との確執、恋人との離別、少女の境遇を知ったオカマたちは、次第に彼女と心を通わせていきます。
「お前の秘密を知っているぞ」
少女は巡回査察員に連れ去られてしまいます。秘密ってなに。
「助けに行く? ほっとく? どうせ他人事だものね。だけどね」
オカマたちは走り出します。
「産みたいって言ったあの子の想いは、きっとあたしたちの願いなんだわ」



(注1)本作中では「オカマ」という単語が多用されます。
近年LGBTに関する様々な議論が交わされ、以前よりも人々の関心が高まり、理解も深まっていると感じます。
その中で、オカマという言葉は蔑称であり、使うべきではないとする向きがありますが(注2)、
今作中では、作者の明確な意思によって「オカマ」を「女性的な装い、言葉遣いをする(性自認が女性的な)男性」という意味合いで呼称しています。
そこに性的マイノリティの人々に対する侮辱の意図、また差別を助長する意図は一切ありません。

(注2)同性愛者にも、さまざまな方がいます。
肉体は男性として生まれたが、心が女性の方
肉体の性別を変えた方
また変えたくないと思う方
肉体的にも、性自認も男性であり、性愛の対象が男性の方…
などなど
これらの人々それぞれの性自認、性指向を理解しないまま、
彼らを一緒くたに「オカマ」と呼んでしまうことは乱暴で、配慮されるべきことですが、
この言葉そのものに差別的な意図があるとして、言葉を封印してしまうことには疑問が残ります。

これについては、様々な意見や議論が性的マイノリティの方のブログなどで閲覧できます。

なるほど、LGBTをテーマにした社会派の作品ね。
性的マイノリティの人々に対する理解を求めるための作品ね。
あなたの思想を啓蒙するための作品ね。

違います。
色々書きましたが、私はただおもしろいものが作れたらそれが一番です。
そのために誰かが不幸になったり、誤解されたりして欲しくないな、と強く願いますが、
「センチメンタル・ジャーニーズ」は「オカマが親になるために奮闘する、
割とデリカシーのないバトルアクションファンタジーコメディ」です。
この作品はフィクションであり、いかなる実在の人物・団体・事件とも関係がありません。

【特別ゲストについて】

〇吉成豊襲来回
研究所から脱走し、肉体の制御が効かなくなった吉成豊が、本当は戦いたくないのに人々を傷つけてしまうが、
最終的に倒され、死の間際に「ありがとう…」と言って微笑む回です。

〇どんみく襲来回
安曇真実と井本みくにでどんみくです。
感情が欠損しており、人間をオモチャとしか見ていない残虐非道な双子がゲイ・ボーイたちの前に立ちはだかります。
冷静沈着な姉は、一人称が「ぼく」の妹を傷つけられると激昂し、
言葉遣いがひどく下品になり、戦闘能力が飛躍的に向上し、ついでに髪が伸びます。が最終的に倒されます。
二人が息を引き取る間際に我々に見せたものは愛だったのかもしれません。

〇青海アキ出現回
かつて力が世界を支配していた時代。
勇気ある魔導士が天帝を打ち倒し、世界に平和がもたらされました。
しかし平和になった世界の人々は、魔導士が新たな脅威となることを恐れ、彼を追放してしまいます。
千年の封印から目覚めた彼は、人類に復讐を誓います。

暗黒魔導士ザナドゥ
破壊と滅びをもたらす者
とオカマたちが戦いますが、がんばって勝ちます。
ザナドゥを倒すともちろん建物が崩れ始めるので、オカマたちは5分以内に脱出しなくてはなりません。
そのタイムアタック中に宝箱から現れた青海アキがオカマたちの邪魔をする回です。