guizillen 12llen
土木座

2020年1月3日(金)〜6日(月)
花まる学習会王子小劇場

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we are guizillen


夜の土木工事はサーカスに似ている。

象のような重機を自在に操る男たち。

危険な足場を軽々渡る男たち。

煌煌と照らされた額の汗には土埃が浮いて黒くくすんでいる。

聞けば彼らの一人一人に夢があるという。

若い男が言った。「海が見たい」

中年の男が言った。「故郷に帰りたい」

老いた男が言った。

「あとは文字通り、心血を注いで掘ったこの穴に、わしらの血液を流し込むだけ。それで工事はおしまい」 そう言ってすぐに老人は穴に飛び込んだ。

男たちは嬌声をあげながら老人のあとに続く。

真っ白なベールが翻って白鳥の群れが飛び立つようだ。

「ハッピーウェディング」「ハッピーバースデイ」

祝いの言葉を口々に、男たちはつぎつぎ死んでいく。

わたしは涙を奥歯で噛み殺して、彼らに大きく手を振った。

かつてこの穴に埋まっていた祖父が、小さく笑ったような気がした。



ギジレンの転機となった今作品。

三姉妹が離散し、それぞれ土木作業員たちに出会い、やがて故郷に戻るまでを描いたguizillenを代表する土木ファンタジーがいま、甦る。



ギジレン5さい

4llenの「土木座」のリメイク再演です。

「土木座」を名乗る、粗野で楽しげな自由人たちと、彼らに出会う三姉妹の成長物語でした。

ギジレンらしい男だらけの歌と踊りと雄叫びの元気てんこもりお祭テイストと、

女の子たちの繊細で感じやすい演技の対比がとても気に入っています。

男たちにはとにかくパワーとパッション、そしてなにより楽しむことを要求し、

女の子たちにはとにかく感性をさらけ出して、じっくり演じることを要求していました。

またいつでも再演したいギジレンのキラーチューン的作品です。


佐藤辰海 より

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